第2回「総排泄腔遺残症」家族の会 結果報告
今年も全国から会員のご家族に集まって頂き、第2回総会を開催致しました。北は福島、南は高知からわざわざお集まり頂き、会員63名(大人34名、子供29名)、ボランティアさん7名の総勢70名の会となりました。昨年に引き続き、今年も欠席者なしでした
きっと皆さん、この日のためにお子さんの体調管理をしっかりなさってきたんだと思います。連日の猛暑の中で奇跡としか言いようがありませんね
それでは、総会の結果についてご報告致します。
★今回の総会の目的★
昨年の総会は第1回目ということもあり、開催する側としてもどんな状態になるか全く想像がつかなかったため、プログラムは大雑把にたてて、その場の状況に応じて組み立てていきました。しかし、今回は第2回目ということもあり、「前回もっとこうすれば良かった」という教訓を活かしながら、前もってプログラムを練っていきました。
今回の目的はなんといっても「子供たちを引き立たせること
」でした。前回はどちらかというとママたちの話し合いが中心となって「母の会」になってしまいました。でも、家族の会の本来の目的は、将来を見据えた子供たちの交流にあります。子供たちが成長した時に、病気の相談ができる同じ病気の仲間を作ってあげることです。そのためには総会などで小さいうちからお友達になっていていることが大切です。小さいうちは、親に連れられて総会に参加してくれるでしょう。でも、問題は小学生、中学生、高校生になっても継続して参加し続けてくれることです。そのためには、子供たちにとって総会に来たくなるような価値のある会にしなければならないのです。楽しいだけではなく、自分と同じ病気を持った唯一の仲間が集まる場所ということを感じてほしいと思いました。小さい子には難しいことですが、それをアピールするのが今回の最大の目的でした。
★愛称「りらっくまの会」★
「そうはいせつくういざんしょうかぞくのかい???
」って子供たちにとっては難しい名前ですよね。そこで、代表として愛称を命名しました。「りらっくまの会」です。名前の由来は、すぐにお分かりですよね(笑)そう、お馴染みのブログから取りました。子供たちに親しみやすいようにひらがなですので、お間違いのないように。この名前は子供たちもすぐに気に入ってくれました
今年もアレンさんがかわいいりらっくまの名札を作ってくれました。どうもありがとうございました。
★オープニング、願いを込めた冊子★
りらっくまの会の設立の経緯や目的を簡単にお話しさせて頂きました。(話した内容は入会ページに記載されている通りです。)そのあと、受付で子供たちに配った冊子をもとに、子供たちに簡単な言葉で、りらっくまの会とはなにか、総排泄腔遺残症という病気は何かについて説明しました。
その冊子がこちらの写真にあるものです。この冊子は総会が終わった後も時々見返してもらい、総会での楽しい思い出やお友達を思い出せるようにと作成しました
今後の総会でも、毎年改良して子供たちに配っていきたいと思います。冊子の内容はこんな感じです。
表紙
集合写真を貼って、工作タイムに子供たちが自分で飾り付けをしました。
1ページ目
りらっくまの会の説明や総排泄腔遺残症 の病気の説明が、子供たちでも分かるような言葉で書かれています。

2ページ目
自己紹介タイムに使う子供達の参加者一覧です。自己紹介を交わしたお友達やボランティアさんとシール交換をして貼れるようになっています。
3ページ目
おうちに帰ってから感想を書いてもらうページを設けました。(質問:お友達になった子の名前、総会で一番楽しかったこと、来年も来たいかどうか)
4ページ目
名札を貼るページです。名札がかわい過ぎるので捨てるのはもったいないと思い、記念に貼れるページを設けました。)
★自己紹介タイム★
今回はちょっと変わった自己紹介の形式を取りました。自己紹介というと、みんなの前に出て一家族ずつ発表されるのが一般的だと思いますが、それだと初めていらっしゃった方はすごく緊張されると思いました
また聞いている側としても34家族の自己紹介を聞くのは時間がかかり、子供は特に飽きてしまいます。そこで、全員が一斉に自己紹介をし合っていく形をとりました。しかも、各ご家族には予めシールを持って来て頂いて、自己紹介をした相手とシール交換をして、冊子にシールを貼り合いました。
子供たちはシールを集めるために自分から率先して自己紹介をしに行ってました(笑)お母さんたちはメーリングリストでやり取りをしている人と実際に会えたり、去年の総会で知り合えた人と再会できて盛り上がっていました
ついつい話し込んでしまい、全家族と自己紹介をし合えませんでしたが、とりあえず最初の緊張した空気が一気に解けました![]()
★子供たちの作文発表★
今年の新企画として、子供たちに作文を発表してもらいました。これは私がどうしてもやりたかった企画でした。りらっくまの会は親ではなく子供たちのための会です。子供たちが自分や兄弟の病気についてどう思っているかについて、みんなの前で発表してもらい、子供たちが主役となってほしかったのです![]()
発表者は今回は私が選ばせて頂きました。患者本人としては、小6と小4の女の子二人、兄弟として小4と小3の男の子二人です。女の子たちには小学校生活のこととか、自分の病気についてどう感じているか、男の子たちには自分の妹の病気についてどう思っているか、事前にご両親と話し合って作文を書いてきてもらいました。発表順は小学生らしく、じゃんけんで決めていました![]()
小3男の子「妹について」
妹はハートが好きな女の子です
大きな声で泣くことが多いけど、ぼくは、妹のわらった顔がかわいいと思います。生まれてから、体に赤いのがついていました。ぼくはそれがなかった方がよかったです。入院することが多いので、病気はなかった方がよかったと思います。元気だといっぱい一緒に遊べるからです。でも病気しても、がんばっていてえらいと思います。兄妹、がんばっていきます![]()
小4女の子「わたしの気持ち」
浣腸をしないといけないことは分かっています。でも弟たちは浣腸をしなくていいのに、なんで自分だけしないといけないのか、浣腸がなかったらもっと遊べたり、すぐ寝れたのにと思うことがあります。浣腸は1時間くらいかかるので、トイレに机を置いて勉強をしたり、本を読んだり、ゲームをしたりして過ごしています。この春休みにお腹に穴を開けて、そこから浣腸ができるようになりました。手術はすごく辛かったけど、学校生活も問題なく過ごせるようになり良かったです
「しょうがいのくせに...」と病気のことを言われるのが一番イヤです。夢は医者になることです
自分が病気だから、病気の人を助けてあげたい、そして同じ病気の人がいたら、浣腸をしなくてもいい方法を見つけてあげたいです。これからも嫌なことがいっぱいあると思うけど、病気に負けずにがんばっていきたいです![]()
小4男の子「下の妹について」
妹は病気で、導尿や浣腸をしています。導尿は痛そうだけど、妹は痛くないようです。妹は自分で導尿ができるけど、すごいとは思いません。妹にとってはいつもやっていることだからです
妹が手術の時に、僕と上の妹は友達の家に泊まりに行きました。妹だけ行けなくて残念でした。僕も扁桃腺の手術で入院したことがあります。手術は痛かったけど、同じ病室の子とゲームで通信したのが楽しかったです。妹は病気だけど、すごく元気です。家族みんなで旅行に行きました。家族みんなが元気で、また旅行に行きたいです![]()
小6女の子「明るく強く面白く」
大変だったのは幼稚園と低学年の時で、今は問題なくプールも普通にこなしています。今困る事は、しいていえば、学校では20分休みが一番の楽しい時間なのですが、その中でも私が一番楽しい鬼ごっこや鉄棒とか、お腹がすごく動くような遊びをしている時に、もっとも“あっ!”という事が多く起こるので、そういう時は1人中断して抜けなくちゃいけないので…それがつまんなくて、“いいよなぁ~みんなは…”と思う瞬間です。あと、一番心配な時間は朝の浣腸の後の登校中です。終わったと思っても歩き出すと急にお腹がグルグルすることがあります
でも最近はしめる力(ガマン力)が自分でもUPしてきたと思うので、今はたまにしかないです。今度2泊3日の林間学校に行きますが、生徒の中で私だけ母がついてきます。去年もついてきてもらっていて、私としては今年こそは1人で行ってみたいと思っていましたが、私は導尿が難しいタイプなのと、今年の登山コースは大人でもキツクて、途中の昼食場所にもトイレがずっとないコースなので、本当は全部参加したかったんですが、途中抜けて母のレンタカーで先回りすることにしました。母も私の意見を聞いてくれるし、私も母の意見を聞くし、協力してどんなことでもやろうと精一杯やってくれるので感謝しています![]()
みんな明るく素直な子供たちでした。そして堂々と発表できました
きっと聞いていたご家族や同じ立場の子供たちは共感を持ったことと思います。私自身も4人の発表を聞いて、目頭が熱くなりました。患者本人の子も兄弟も、みんなで病気に向き合っていること。これからもまっすぐ成長していってほしいです![]()
★成人患者のお母様のお話★
今年も成人患者のMさんに来て頂いて、昨年同様にお話をして頂きました。またMさんのお母様や妹さんにもお越しいただきました。お母様のお話についてご紹介します。
娘が誕生した時は、「なんで自分の子供が・・・」という気持ちで、泣いてばかりいました。面会時間がかなり制限されていたこともあり、入院中の娘も担当看護師さんになついていて、本当に自分の子だろうかと愛情を抱けずにいた時もありました。幼稚園入園は、出来るだけ知り合いと会わないように、バスで通う遠くの園を選びました。4年生くらいまで浣腸をしていましたが、それ以降は特に必要とせず、普通に生活ができました。思春期も「病気だから」という何か特別な説明をしたこともありませんでした。娘に病気のことを隠したつもりはないし、聞かれたら話そうと思っていましたが、結果として何も聞かれなかったので話していませんでした。ただ、結婚や出産はできないかもしれないという思いがあり、一人でも生活できるように「資格をとりなさい」という事を強く話していました。そのせいもあってか、娘は看護師になりました。子育ては本当に短くあっと言う間です。ストマ管理や導尿などをしているご家族の方は、それだけで毎日時間が過ぎていくなんていう人もいるかもしれません。でも、病気をしていても健康でも時間は同じように流れて行くんですよね。今を大切にして下さい。
子育てを終えたお母様の言葉は重く、心にしみるものがありました
貴重なお話をどうもありがとうございました。
★座談会★
座談会では予めテーマを決めて、先輩ママや看護師さんからアドバイスを頂きました。
おしりかぶれの対処法について
・パウダーを振ったり、軟膏を塗る
・整腸剤を飲む
・食べ物のとり方に注意する
・便秘になりやすい食事、下痢になりやすい食事など、親による観察をする
・繊維や水分をどのくらいとっているか、食事に気をつけてあげる
浣腸について
「便秘だから浣腸をする」というのではなく、1日のサイクルを作ってあげる意味で行う。1日1回浣腸をしてQOLをあげることが目的と考える。
病気の告知について
改まって「告知」ということより、病院で医師と話す時、子供(本人)も輪に加わり、話を聞く。幼稚園頃から病気の話(膣や子宮という言葉も)を当たり前にしている。特に隠したりしない。思春期になる前に、日常会話の中で自然に話せるタイミングを見逃さず伝えている。(例えば、お人形ごっこをしている時に、赤ちゃんが生まれてくる膣の話をするなど)
他者への病気の説明について
家族で話し合って、他人に病気の事をどこまで伝えるのかを決めておく。そして、園や学校に伝える時には病名ではなく、何が困っているのかを具体的に伝えると、相手もわかりやすい。
幼稚園生活について
入園の面接の前に、入園を希望する幼稚園の園長先生と面会をし、園生活を送る上で導尿の必要があることを話し、その状況で入園可能か話を聞いてもらった。入園面接時に病気の概要を書いたプリントを用意し、昼に1度導尿が必要な旨を再度話した。現在、昼に1度自己導尿を行っていて、その時は先生に立ち会ってもらっている。現在パンツで通っており、オシッコやウンチをもらしてお着替えすることもあるが、お友達にからかわれたり、いじめられたりすることはない。
小学校生活について
休み時間ごとにトイレに行っている。学年が上がるたびに担任が変わるので、毎年担任に話をしている。その際、詳しく話すので大変な病気に思われるが、本人を見て「全然たいしたことないじゃないか」と感じてもらう(そういうねらいもある)。担任が男性の場合は、事務的に淡々と説明するが、きちんと気を配ってくれて今まで嫌な先生に当たったことがない。
排便の自立について
健康な子は、ある程度の年齢になり漏らしたりすると、悔しいというう気持ちが出てきたりする。そして、その気持ちが出てくると、だんだん失敗が減り、自立していく。しかし、鎖肛の子などは、漏れてあたり前なので、そういった悔しいという気持ちを持つのが難しい。そこで、おしりを自分で拭くなど、自分で出来る事を増やしてあげると良い。そうする事で、それが自立に繋がっていく。
成長した時(10歳頃)の対応
親の言う事を聞かなくなってきた時は、病気の事を医師など親でなく他の人に伝えてもらうのもひとつの方法。伝える人を変える事によって、うまくいく事もある。
★工作タイム★
今年も子供たちに記念になる物を持って帰ってもらいたいという思いで、工作の時間を設けました
写真は水なしヨーヨーです。幼児さんが多い為、簡単に作れて遊べるものを私の方で創作しました。ボールの白い玉は発泡スチロールです。そこにボランティアさんが輪ゴムとビーズを通して下さって、子供たちが絵を描いたり、シールや型抜きした色紙を貼りました。子供たちみんなが工作に夢中になって取り組んでいました。できあがるとみんな笑顔で見せてくれました。きっとこのヨーヨーをおうちで見る度に、りらっくまの会を思い出してくれることでしょう![]()
★おめでとう★
最後に成人患者のMさんが今年ご結婚されるということで、サプライズ企画として皆さんでお祝いさせて頂きました
子供たちから花束とメッセージカードを贈呈。Mさんは私たち家族のまさに希望の星
きっと小さい頃はお母様も色々とご不安なことだったでしょうが、元気になって結婚までできることになって、どんなにお幸せなことか。今は小さいお子さんをお持ちのお父さん、お母さんたちにとってもすごく励みになったことと思います。いつもご協力ありがとうございます。末永くお幸せに![]()
★クロージング★
あっという間の3時間でした。今年も皆さんにずっと家族の会に入っていてほしいことをお話しました。2万人に一人という病気を持って生まれた家族同士、今後もみんなで協力しあって、ずっとつながっていきたいということ。仮に病気が改善しても、将来いつか子供たちが悩むかもしれない時のために、親として家族の会にずっと入っていてほしいということ。そして、この病気は今後も発生していくと思われるため、同じ病気を持って生まれてくる人のために、先輩としてこの家族の会に入っていてほしいということ。こんなご縁はないのですから、同じ痛みを持った者同士、今後とも仲良くやっていきましょう。そして、子供たちが大人になった時のために、今からできることはないか一緒に考えていきましょう![]()
★感謝★
今年も多くの方にご協力頂いて、総会を開催することができました。ボランティアの皆さまにはわざわざ休日にお手伝いに来て頂きまして、子供たちの保育や父母へのアドバイスなども頂いて、おかげさまで無事に開催することができました。また場所を快く提供してくださったM会長、総務のS課長、Sさん。そして創立記念日のボランティア集会で私の発表をお聞きくださった役員の皆様、本当にありがとうございました。そしてOさん、去年に引き続き多大なご協力をありがとうございました。Sさん、家族の会の立ち上げからご協力ありがとうございます。皆様のお力添えがあったからこそ、総会を実現することができました。こちらからは何のお返しもできないのが心苦しいですが、私たち難病患者の家族は皆様のやさしさがどれだけありがいことか、この文面だけでは言い表せません。いつも子供のために何かをしようと思っては、社会の壁にぶち当たってしまいます。でも、こうして家族の会の活動の場をご提供頂けるだけで、少しずつでありますが前進しております。いつか皆様に恩返しができるように、これからも前向きにがんばっていきたいと思います
本当にありがとうございました。
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